家庭クラブは、家庭科の学習を生かして、校内や地域生活の充実・向上を目指して実践活動をする組織で、本校では、全校生徒がクラブ員として活動しています。そして、役員(12名)が校内活動の企画・運営、トイレを中心とした校内美化活動、地域のボランティア活動、学校防災の研究活動を積極的に行っています。
1 ベルマーク・エコキャップの回収
「居ながらにしてできるボランティア活動」として、ベルマークとエコキャップの回収を30年間以上継続しています。
ベルマークは、クラスに回収袋を設置し、年2回の強化期間を設けて協力を呼びかけ、上位クラスの発表を行っています。その結果、クラス対抗で積極的に協力してくれます。そして、毎年10,000点=1万円を、ベルマーク預金より日本ユニセフ協会に寄付しています。
2 美化活動
平成28年度に西高家庭クラブオリジナルキャラクターを全校生に募集し、キャラクターを用いて家庭クラブ活動の活性化を目指しました。
そして、課題であるトイレの美化に取り組みました。3年間の継続活動によって、明るいトイレにリニューアルし、現在も消臭ビーズを定期的に交換して、さわやかな環境の維持に努めています。
3 地域のボランティア活動
令和元年より地区の子ども食堂「よしいだキッチン」に参加し、小学生の宿題を見たり、一緒に夕食を食べ、その後にゲームや体育館で遊んだりして、地域の子どもたちの居場所づくりに協力しています。また、令和5年度からは、「荒川クリーンアップ大作戦」に参加し、地域河川の環境保全に協力しています。
4 学校防災の研究活動
近年、全国各地で自然災害が相次ぎ、本校は、洪水と火山噴火が心配されることから、家庭クラブでは、毎日長時間滞在する学校も、自然災害時の防災対策をする必要があると考え、令和2年度から3年計画で「西高防災対策プロジェクト」を実施しました。
実態調査、研修、研究、検証、実験を行い、災害用品については、エコやコスト削減を考え、本校に適する方法を検討しました。研究成果を家庭科の授業で実践し、生徒の評価や意見を受け発展させながら取り組み、先生方の理解も得られ、令和4年度は、垂直避難訓練を実施し、災害備蓄用品を揃え、利用から返却までの行動マニュアルを作成しました。アンケートの結果「備蓄があり安心」が96%で、3年間の目標を達成することができました。
また、同じ災害リスクを伴う地域に向け、啓発リーフレットを作成し、不要なダンボール箱を活用した災害用便器を考案し、必要な方にプレゼントをしています。
これらの取り組みを家庭クラブ連盟の研究発表大会で発表し、県大会、東北大会に毎年出場し、令和5年度には、全国大会で第2位の産業教育振興中央会賞とクラブ員奨励賞を受賞しました。さらに、「ぼうさい甲子園」でも、毎年賞をいただいています。
しかし、防災対策に終わりはなく、また、線状降水帯の発生など、災害は、いつ、どこで起こるか分からないことから、校内に向けては、「防災訓練専用動画」を作成して、全校生の防災意識の向上を図り、災害時の夏の対策や集団睡眠の方法、携帯用防災グッズなどの研究を進めています。
さらに、3年間の研究成果を基盤に、地域の方々や小学生、他校生とも積極的につながりを広げながら、防災対策と体験の必要性を広く啓発しています。
5 実績
(1)全国高等学校家庭クラブ連盟研究発表大会
令和5年度 全国大会第2位、クラブ員奨励賞
東北大会優秀賞
令和4年度 東北大会最優秀賞
令和3年度 東北大会優秀賞
令和2年度 県大会優秀賞
(2)1.17防災未来賞「ぼうさい甲子園」
令和5年度 URレジリエンス賞
令和4年度 フロンティア賞
令和3年度 はばタン賞
令和2年度 フロンティア賞
(2023年8月27日(日)福島民報新聞より)
(2020年12月24日(木)毎日新聞より)